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検証1-1 国交省・東京都の主張 「慢性的な渋滞を緩和します」 2020.12.6 東京区間の予測を<参考>として追加 2020.5.10 外環千葉区間 開通後を追加 出典:国交省・東京都「東京外かく環状道路(関越道〜東名高速)これまでの検討の総括」2005.9(PDF)17頁 |
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【検証方法】 1.外環埼玉区間 開通後 (1) 周辺道路 使用データ=国土交通省 道路交通センサス(URL) 外環埼玉区間(大泉JCT〜三郷JCT間)開通後、 周辺道路の交通量がどのように変化したかを確認します。 並行道路(●)は、新しく道路ができたら車が転換する可能性がある、 ある程度長さがあり、その区間に相当する観測地点。 放射道路(●)は、環状道路にバイパス機能があるというのであれば、 車は郊外〜外環(●)〜郊外と走り、都心側では交通量が減少している はずなので、都心側の観測地点。これらをすべて選択しました。 道路交通センサスから選択した観測地点/埼玉県 道路交通センサスから選択した観測地点/東京都 (2) 谷原交差点 練馬区の谷原交差点は、東京都『環境影響評価書− 都市高速道路外郭環状線(放射7号線〜埼玉県境)建設事業』 1985.12の8頁「事業の目的」に以下のように書かれています。
この『環境影響評価書』記載の推計交通量が、外環開通後 どのように変化したか、PI協議会で東京都から回答を得ました。 2.外環千葉区間 開通後 2018年6月に千葉区間(三郷南IC〜高谷JCT)が開通しました。 周辺道路がどのように変化したか、(1)渋滞損失時間、(2)速度、 (3)交通量 全車、(4)交通量 大型車、について確認します。 使用データ=情報公開請求で入手した文書 掲載頁 関東地方整備局2019.1.9記者発表 「東京外かく環状道路(三郷南IC〜高谷JCT)開通後の整備効果」 (URL)の作成元資料 オリエンタルコンサルタンツ・計量計画研究所設計共同体 「平成30年度 首都圏環状道路整備効果検討・検証業務報告書」2019.3 <参考> 関東地方整備局2020.7.30事業評価監視委員会(URL)の元資料 パシフィックコンサルタンツ「H31外環整備効果検討業務 報告書」2020.9 |
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【検証結果】 1.外環埼玉区間 開通後 (1) 周辺道路の減少効果はみられない 全車でみても大型車のみをみても外環開通後、 並行道路は横ばい、放射高速道路は増加しています。 外環整備による周辺道路の減少効果はみられません。 全車/並行道路(●)サービス道路除く 全車/放射道路(●) 全車/平均 大型車/並行道路(●)サービス道路除く 大型車/放射道路(●) 大型車/平均 出典:江崎「外環埼玉区間の現状」第22回PI会議資料、2006.11(PDF) (2) 谷原交差点の交通量が増加 『環境影響評価書』における現況交通量は10.1万台、 1990年の推計交通量は外環なしで11.5万台、外環ありで9.6万台。 外環開通後の実績は、1993年13.5万台、1994年13.3万台、1999年14.4万台。 開通後に大きく増加しており、外環整備による谷原交差点の 渋滞緩和効果はみられません。 谷原交差点の推計交通量 出典:東京都『環境影響評価書−都市高速道路外郭環状線(放射7号線〜埼玉県境)建設事業』1985.12 谷原交差点の実績交通量 出典:東京都建設局『谷原交差点の交通量と渋滞状況』第14回PI協議会資料2003.2(URL)、 江崎「外環における推計交通量と実績交通量の比較」第16回PI協議会資料、2003.3(PDF) 2.外環千葉区間 開通後 (1) 渋滞損失時間の算出方法は不開示 関東地方整備局は記者発表資料「東京外かく環状道路(三郷南IC〜高谷JCT) 開通後の整備効果」2019.1.9および2019.12.25の中で、「中央環状内側の首都高 (中央環状含む)の渋滞損失時間が約3割減少」と主張しています。しかし作成元 資料では渋滞損失時間の算出方法は首都高方式もNEXCO方式も不開示です。 担当者に聞いたところ「首都高もNEXCOも公表してほしくないと言っている」 とのこと。同じ資料にある国土技術総合研究所の数字は「2割減」となっており、 効果が過大に出るよう数字を調整しているのではないかと疑いたくなります。 出典:オリエンタルコンサルタンツ・計量計画研究所設計共同体 「平成30年度 首都圏環状道路整備効果検討・検証業務報告書」2019.3の2-107頁 (2) 外環埼玉区間の速度が20%以上低下 時間に関連して速度も気になります。「首都高の中央環状線の東側区間、 および外環道と中央環状線を結ぶ首都高の速度が向上している」そうですが、 「外環道(埼玉区間)では全体的な速度は低下傾向にあり、 中には20%以上低下している区間も見られる」とのこと。 効果より影響のほうが大きいようです。 外環千葉区間開通前後の速度(変化率) 出典は(1)と同じ 2-93頁 (3) 外環埼玉区間などの交通量が増加 交通量についても「外環道(埼玉区間)では1割以上、外環道と圏央道を結ぶ 放射道路では5%以上の交通量が増加している」「京葉道路・東関東道の交通量が 1割前後増加している」と書かれています。やはり影響のほうが大きく見えます。 外環千葉区間開通前後の交通量 全車全日(変化率) 出典は(1)と同じ 2-7頁 (4) 大型車は外環埼玉区間で2割以上増加 では大型車はどうかというと、「外環道では2割以上、外環道と圏央道を結ぶ 放射道路では5%以上の交通量が増加している」「京葉道路・東関東道の 交通量が5%前後増加している」そうですが、中央環状線や都心環状線 については記述がなく、図を見てもほとんど変化が無かったことが分かります。 外環千葉区間開通前後の交通量 大型車全日(変化率) 出典は(1)と同じ 2-23頁 <参考> 外環東京区間の2020年度再評価元資料によると、東京区間整備により 東名高速⇔北関東方面は約7,900台、中央道⇔北関東方面は約12,200台が 外環へ交通転換すると想定され、埼玉区間の交通量はさらに増加しそうです。 出典:パシフィックコンサルタンツ「H31外環整備効果検討業務 報告書」2020.9の3-39頁・3-41頁 |
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