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検証3-2 技術専門委員会の主張
「構想段階における必要性の議論に必要な将来交通量の
予測結果としては信頼できるレベルにあります」


2020.6.11 元の検証3-1「予測と実績」を追加



出典:東京外かく環状道路の計画に関する技術専門委員会(URL
「外環の必要性検討における技術的視点からの評価」2005.9


 

【検証方法】

交通需要予測の手法について、誘発交通を適切に予測できない(*1)、
配分条件が恣意的で結果が分析者によって大きく異なる(*2)、
旅行時間を過大推計する傾向がある(*3)といった指摘が出されています。

*1 国土交通省関東地方整備局『平成13年度 道路整備による誘発交通量推計手法に関する調査業務報告書』2002.3
*2 東京都環境局「ロードプライシング ケース別試算結果」2000.10,第2回検討委員会資料
*3 土木学会『道路交通需要予測の理論と適用 第T編 利用者均衡配分の適用に向けて』2003.8




1.予測と実績

外環埼玉区間について、環境影響評価時の予測交通量と、
予測された年に近い年度に実施された交通量調査の数値を比較します。

使用データ
予測値は環境影響評価参考図書、実績値は道路交通センサス



2.国交省の考え方(PI協議会から)

国交省が第24回PI協議会(URL)に提出した「交通の分析」10頁(PDF)に
掲載されている中央道〜東名高速区間の外環利用交通について、
推計前の現況データを用い、出発地・目的地の組み合わせごとの
交通量全体のうち、何割が外環を使うと考えられているのかを計算し、
国交省の考え方を聞きました。

使用データ=国土交通省1999年道路交通センサス
現況OD表、ゾーンコード表 掲載ページ  計算方法(PDF

 

【検証結果】



1.ところにより予測の2倍

ところにより予測交通量の2倍近くなっており、
予測と実績が大きく乖離しています。
しかし、外環を技術面からチェックする技術専門委員会(URL)では、
外環東京区間の予測誤差はプラスマイナス3%以内とされました。
なお、中央環状線は予測の2倍、東京湾アクアラインは3分の1です。
過去の事例を検証したうえで予測手法を見直すべきです。


外環埼玉区間の推計交通量と実績交通量

推計は環境影響評価図書、実績は道路交通センサス、全車、24時間値
出典:江崎「外環における推計交通量と実績交通量の比較」第16回PI協議会資料、2003.3(PDF




2.予測結果は信頼できない

PI協議会終了後、時間評価値の見直しがありましたが、
交通需要予測における「配分」の考え方は変わらないと思われますので、
PI協議会での議論を紹介します。

(外環利用割合は国交省訂正後の数値)

疑問1
横浜・川崎〜山梨・長野方面について、全車の72%、大型車の78%が
外環を利用すると推計されていますが、無料で通行できる国道16号がある
のに、33分短縮できるとはいえ、1550円かかる「第三京浜〜環八〜東名
〜外環〜中央道」ルートを使うでしょうか。これは、33分あたりの時間価値
1848円より下回っているから外環利用ルートに多く配分される結果になって
いるのでしょうが、生活実感からして、33分に1848円の価値を感じるでしょうか。

疑問2
神奈川西部〜山梨・長野方面について、全車の31%、大型車の32%が
外環を利用すると推計されています。神奈川県央部から山梨・長野に行く場合、
例えば国道412号を使って相模湖ICから中央道に入るという人もおり、
外環を利用しないのではありませんか。長野県の群馬寄りに行くために関越を
利用する場合であっても、三環状道路が完成した場合のシミュレーション
だとすると、外環より6分早い圏央道を使うのではないでしょうか。

【10年後】
2014年9月に開催された国土交通省所管の審議会に下図2と似た図が
提出され、国交省は「東名高速〜関越道間で都心を経由していた車が
9割から3割に減少した」と説明しました。
この結果から、やはりこの区間では外環を利用しないと考えられ、
10年越しでようやく疑問が解決しました。

以上のようなことから、将来交通量の予測結果は信頼できません。


<2004年7月>
国土交通省の回答




出典:江崎美枝子「外環利用交通量の検証-2」第39回PI協議会資料、2004.7
図の作成者は国交省


<2014年9月>


圏央道(関越〜東名)の開通に伴う交通転換の状況
出典:社会資本整備審議会道路分科会第13回国土幹線道路部会2014.9.19資料1



 

書籍『公共事業と市民参加』PI外環沿線協議会PI外環沿線会議

  









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