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検証1-2 国交省・東京都の主張
「生活道路では通り抜け自動車が減少し、
安全性が向上すると見込まれます」


2022.7.18 東京区間の直近の推計を追加
2020.5.10 手段変更について追加

2020.2.27 千葉区間の交通事故を追加



出典:国交省・東京都「東京外かく環状道路(関越道〜東名高速)これまでの検討の総括」2005.9(PDF)17頁

 

【検証方法】



1.交通事故 発生件数

国の交通量調査「道路交通センサス」の対象は国道と都道府県道だけで、
生活道路については調査されておらず、予測ができないはずです。PI協議会で
「期待値にすぎないのではないか」と指摘すると、「その通り」と回答がありました。
そこで外環の既設区間の交通事故発生件数について調べてみました。

(1) 埼玉区間 開通後
(2) 千葉区間 開通後



2.手段変更

交通事故に関係するものとして、交通手段の変化も気になります。
そこで外環の既設区間の交通手段について調べてみました。

(1) 埼玉区間 開通後
(2) 千葉区間 開通後



3.東京区間の直近の推計

上記の「検討の総括」から15年後、
直近の推計ではどうか、確認してみました。


 

【検証結果】



1.交通事故 発生件数

(1) 埼玉区間開通を境に交通事故が増加

全国と埼玉県(沿線7市を除く)では増加を続けていたのが2000年を境に横ばい、
外環沿線7市は横ばいだったものが1992年の外環開通を境に増加し続けています。




交通事故発生件数

外環沿線7市は三郷市・八潮市・草加市・川口市・浦和市(現さいたま市)・戸田市・和光市
埼玉県警察本部交通企画課「埼玉県市町村別交通事故発生状況(年別推移)」
および警察庁「警察白書」の「交通事故発生状況の推移」

出典:江崎『公共事業と市民参加』2007.6、学芸出版社


(2) 千葉区間開通後に交通事故が増加

外環千葉区間開通後、国道・県道も市町村道も交通事故件数は増加しています。
特に増加したのは、国道298号(13件→44件)、市川柏線(23件→40件)です。


交通事故発生件数(件/6ヶ月、市川市・松戸市)

出典:長大「H30首都国道管内交通調査分析検討業務 報告書」2019.3 掲載頁
表3-82 交通事故発生件数、表3-85 交通事故データの集計結果
元は千葉県警察本部のデータ、千葉区間開通は2018年6月2日です。




2.手段変更

(1) 埼玉区間開通後、鉄道が減少し自家用車が増加

外環沿線7市について調べてみると、徒歩、鉄道・電車、バスが減少し、
自家用車、自転車が増加しています。人口規模が大きい自治体については
詳細なデータがあるので、川口市と浦和市(現さいたま市)について調べてみると、
自家用車利用のうち、川口市から浦和市・草加市、浦和市から
川口市・戸田市など外環に沿った市への移動が特に増加しています。

(千人)
外環埼玉区間開通前後の交通手段変化

出典:江崎「外環埼玉区間の現状」第22回PI会議資料、2006.11(PDF
国勢調査の「常住地による15歳以上自宅外就業者・通学者数」の9区分(1990年は10区分)で、
外環沿線の三郷市・八潮市・草加市・川口市・浦和市(現さいたま市)・戸田市・和光市を合計
埼玉区間(和光IC〜三郷JCTは1992年開通)



(2) 千葉区間開通後、鉄道からクルマに手段変更

千葉区間についても、開通に伴い、普段の外出における主な交通手段を変更
した人のうち「鉄道からクルマに変更した方が46%と最も多い」ということです。


出典:長大「H30首都国道管内交通調査分析検討業務 報告書」2019.3 2-180頁 掲載頁



3.東京区間の直近の推計

「周辺一般道の交通量は外環整備により現況より減少する傾向」
と書かれていますが、「外環あり」も「外環なし」も現況より
同程度に減少すると推計されていることが分かります。
したがって、「外環なし」でも交通量の減少により、
渋滞緩和、定時性向上、安全性の向上が期待されます。



出典:パシフィックコンサルタンツ「H31外環整備効果検討業務 報告書」2020..9 3-52頁 掲載頁
(2020年度再評価(2021年度予算)結果 URL の元資料)


 

書籍『公共事業と市民参加』PI外環沿線協議会PI外環沿線会議

  









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